そんな或る日、 盛大ながらもうそ寒い仮装舞踏会の 宴が催された晩のこと。 嘘の女王は生まれて初めての 恋に落ちたのでございます。 御相手の殿方は皮肉にも 真実の国から招かれた 真実の王子。 多くの客人のなかで唯一人、 仮装をせず素顔のままで 女王と踊ったこの王子は、 一度でも嘘を口にしようものなら たちまち御命が失われてしまう、 そんな定めのもとにある御仁です。 何もかも それはまさしく 真実の恋でありました。 けれども嘘の女王は 天の定めに従って、 恋する人を目の前にし嘘八百を 並べ立てるしかすべがありません。 悲しい嘘で彩った罵声を 真実の王子に浴びせつつ 女王は心の中でさめざめ泣きました。
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