- 150 :番組の途中ですが名無しです :2005/07/29(金)
ふと思い出したけど、 俺、死んでしまった子から絵葉書もらったことがある。
中学のときの隣のクラスの女の子で、
病気でほとんど学校にこないまま死んでしまった。
うちの学校は生徒数が少なかったので、
体育のときや課外授業のバードウォッチングとか
2クラス合同でやる科目がいくつかあって、
まだ学校にくることができた頃に何度か一緒に
なるくらいだった。
一度だけ喋ったことがある。
寝坊して完全に遅刻だしと思って、いつものバス停に
歩いて行ったらその子が停留所のベンチに座ってた。
田舎だから時間ずれるとバスがぜんぜんこなくって、
しばらく黙ってたけど暇だしなんとなく話しかけたんだ。
「お前も寝坊したの?」
「・・・病院、よってきたから」
俺はそのときになって、なんだか知らないけど
病弱でほとんど学校にきてない子がいるって
話を思い出し、それがこの子だと気づいた。
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その子はそれから1年くらいで死んでしまったので、
今思えば本当に無神経なんだけど
俺は「へえ、どっか悪いの?」と訊いてしまった。
彼女は少し笑って「うん、ちょっとね」って言ってた。
彼女は俺が中学にあがるまで新聞配達していたのを知ってて
(彼女の家にも配達していたらしい)、
「前から思ってたけど、ほんとえらいよね」ってやけに褒めて
くれたもんだった。
じつはゲームソフト欲しさだったことは言わなかった。
バスがきて、学校につくまでたわいもない話をした。
天気いいのにかったるいよなーとか。
彼女と話したのはそれが最初で最後だった。
中学卒業したあとで絵葉書が届いた。
夕焼け空のきれいな写真のハガキだった。
最初は誰かわからなかったけど、しばらく考えて思い出した。
そのちょっと前に葬式があったと聞いていた子だった。
「朝焼けの写真だったらよかったのに。でも、夕焼けもきれいでしょ?」
と書いてあった。その下にスペースがあまっていたから、
もしかしたらほかにも書こうとしてやめてしまった書きかけ
だったのかもしれない。
書きかけのまま大切そうにしまっておいた絵葉書を、
家族の人がみつけて出してくれたんだそうだ。
新聞配達なんて眠いし重いし手が真っ黒になるけど
朝焼けが気持ちいいと、かっこつけて話したのを思い出した。
そのハガキ、たぶんまだ どっかにあると思う。
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