11.ケンの想い
父ひろし、母みさえは、大人に戻り、お互いのことを認識し、家族としてまとまった野原一家。
そこへ隊員を引き連れたイエスタデイワンスモアのリーダー・ケンが現れました。
ケンは「話がある」と野原一家を拉致同然に夕日町を案内します。
ひろしやみさえはその街並みに「懐かしすぎて涙が出る」と感じますが、靴のにおいを助けに、なんとか自分を保ちます。
一家はケンとチャコの住むアパートに招かれました。
ちゃぶ台を囲み、紅茶を出された野原一家。テレビでは恐るべき計画が夕日町の住人に向けて語られました。
それは20世紀博にある鉄塔・20世紀タワー上部から夕日町のにおいを拡散することで、
日本中をを懐かしさの虜にするという計画でした。
そのための臭いのレベルも最高潮で、 あとはタワー展望台にあるスイッチを押すだけ、というものでした。
ケンはこの紅茶を飲み終えたらスイッチを押しに行くと告げます。
愕然とするひろしとみさえに、ケンはこう言いました。
「おまえ達が本気で21世紀を生きたいなら行動しろ。未来を手に入れて見せろ。早くいけ。ぐずぐずしていると、またにおいが効いてくるぞ」
野原一家はアパートの外にでて走り出しました。隊員たちもその後を追いかけてきました。
「どういうこと?」チャコは尋ねます。
「最近、走ってないな」ケンは答えました。
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