カルの謎について

答えは色々考えられます。

以下の
カルストーリーは、カル公式BBSネタバレ掲示板よりの抜粋&加筆。
この説はかなり核心をついていると思う。

ここの考え方を前提に謎を追求したり、つじつまを合わせれば
だいぶスッキリするんじゃないかしらん。

いずれにせよひとつの考え方です。


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※以下は断定語調ですが、すべて推測です。


■序

幼いころから、父親ヨンフンの奴隷として暮らす事を余儀無くされていたスヨン


肉体は犯され、精神は衰弱しつつも、唯一の救いは牢の外から見守ってくれている少年の存在。彼が「大丈夫?」と微笑みかけてくれるときが、少女にとって唯一の平和な時間でした。

彼女は自分の心のバランスをとるためにも、彼の絵を何度も壁に書いていました。

その少年の名はスンミン。実はスンミンは、少年ではなく男の名前を付けられた女の子でした。
 
一方で、スンミンは、牢に閉じ込められた可哀相な女の子を救い出そうと決心しました。城に火を放ち牢に飛び込み、彼女を救い出そうとしましたが、火の廻りははやく逃げだせなくなってしまいました。
 
そこへ
ヨンフンが表れ、スヨンだけを救いました。 

スンミンは火に飲み込まれましたが、辛うじて脱出を計りました。ほんの一瞬ですが腕に抱いたスヨンの体は、精神の不安定から肉体的にも衰弱していました。 

彼女を助けたい。どうすればいいのか一所懸命考えました。スンミンは、成長しても密かにスヨンを見守っていたのでした。

スヨンが成長しても、父親のヨンフンは執拗に追い掛けてきました。 スヨンは彼には反抗が出来ません。

ヨンフンの虐待乱暴は続き、スヨンの怒りのやり場は、次第に破壊行為へと発展していきました。

唯一自分を取り戻せるのは絵の世界に没頭しているときでした。それはやはり狂気への入り口になっていきました。

いつしかスヨンは自分でも気づかないうちにもう一人の人格を形成していきました。

それは極めて狡猾でかつ凶暴な性格をもった左利きの人物でした・・、
 
■本編

事件は5年前にポラロイド写真に映っているの6人が、愛するスヨンのために共謀してヨンフンを殺害した所から始まります。

殺されて当然の男だという事実が皆の罪悪感を少なくしましたが、いくら極悪人といえども殺人を犯すわけですから、父親殺害計画が実行されるには完全犯罪である必要がありました。

そこで、失踪に見せかけるため、遺体が発見されないように死体をバラバラにしました。6人で父親の屍体を6つに分けて、各自処理したのです。
 
しかし、これらはすべてスヨンが巧妙に仕組み、彼らはまんまと利用されたのでした。

 
スヨンは、次の冷酷な行動へ移ります。 彼女は父を憎悪するというより、本当はきちんと愛されたかったのです。

そこで、いままで自分が愛し、自分に愛を与えてくれた男たちを殺しバラバラにしてその体を縫合して、“理想の父親像(男)”を創ろうとします。

この作品は、最後に父親の首をのせて完成する予定でした。幼児期のトラウマを克服するには、この方法しかないと彼女は信じていました。

 
“理想の父親”を創るために、スヨンは外科手術に精通している友人のスンミンを利用しました。

しかしスンミンがそれに従ったのは、スヨンのためというよりも、自分自身のために他の恋敵を消したかったという理由もありました。

スンミンは女性でありながら、スヨンを誰よりも愛していたのです。
 
ふたりはスヨンに好意を寄せるギヨンを有効に活用しました。ホルマリンや腐敗防止剤などを手に入れ、更にギヨンに容疑がかかるようにしました。

ストーカー行為を繰り返すギヨンは、スヨンの思惑にうすうす感づきはじめます。


そこで警察に黙っているかわりに自分の物になるようにスヨンを脅迫しはじめたのです。 調子に乗ったギヨンは、逆に口封じのために702号室で処刑されてしまいます。

スヨンは彼を愛していなかったので、死体はトラックに轢かせてぐちゃぐちゃにしてしまいました。

 
一方、少しずつ事件の核心に迫っていたチョ刑事ですが、ギヨンの根城に足を踏み入れた際に、車に乗ったスヨンに殺されかけてしまいます。

ところが、少しずつチョ刑事に惹かれていたスヨンはひと思いに殺すことができませんでした。
 
そして、ある意図がスヨンによぎり、チョ刑事を生きたままにしておくことにしたのです。
 

縫合死体が 完成に近づいた頃、スンミンはスヨンに内緒で702号室の冷凍庫からヨンフンの頭部を持ち去ろうと考えました。

すべてが完遂してしまうと、自分には用がなくなってしまうと恐れたからです。

そこで、偶然702号室へ捜査に来たオ刑事とはち合わせしてしまいます。秘密の部屋を見られたスンミンは、とっさにオ刑事を殺害してしまいます。

そして、現場からヨンフンの頭部や道具を持って急いで逃げ出します。しかし、ここでスンミンはミスを犯してしまいました。

オ刑事は瀕死状態になりながらも、こっそりとダイイング・メッセージとして現場に落ちていたポラロイド写真を隠していたのです。

それは、スヨンを囲んで殺された男達と別荘で記念撮影したスナップでした。


オ刑事は 6人の男女が繋がっていたことをなんとかチョ刑事に知らせようとしたのです。不用意な殺人を犯してしまったスンミンは、警察の嫌疑が自分にかかっていることを知ると最後の行動を起こしました。

連続殺人の犯人は自分ひとりだったという事にして、スヨンと心中する計画です。スンミンは自宅のバスタブに血をまき、すべて自分に嫌疑がかかるように細工しました。

肢体を切り刻んだメス道具も、ヨンフンの頭部もスンミンの自宅にそろっていましたし、計画は完璧でした。あとはスヨンにきれいなまま死んでもらうだけです。


タワーレコードで待ちあわせたふたりは、何事もなかったようにふつうに振る舞っていました。スンミンは警察が来るのを待っていたのです。

そこへ、誰よりもはやく駆けつけたのはチョ刑事でした。チョ刑事の姿を認めると、スンミンは刃物を取りだし、格好の目撃者がいるところでスヨンを殺そうとしました。


しかし、愛する者をあやめるのは容易ではありませんでした。一瞬の躊躇が命取りになり、スンミンはスヨンに正当防衛というかたちで(左手で)撃たれてしまったのです。

これで父親の殺害を知る者が誰ひとりいなくなったことになりました。

実はスヨンにしてみれば、スンミンが行動を起こすのを淡々と待っていたのです。
 
 
事件が表面上解決し、スヨンは渡仏することになりました。別れ際に彼女はチョ刑事にガラス瓶と小さな魚を渡します。

これは問題のポラロイド写真に写っていたスヨンの仲間が持っている瓶と同じ物だったのですが、その時のチョ刑事には知る由もありませんでした。


同時にスヨンが描いたスケッチ・ブックも想い出の品としてもらいました。 スケッチ・ブックにはチョ刑事の顔が様々なアングルで描かれていましたが、実はこのデッサンは正確には“頭部”の素描でした。

スヨンは、スンミンの単独行動によって警察の手にわたってしまった父親の頭部の代わりに、縫合死体の最後のパーツとして、チョ刑事の頭をつけることを考えていたのです。

しかし実行はされませんでした。事件はスンミンが犯人ということで決着がついているからです。いつの日か戻ってくることをほのめかして、スヨンは旅立っていきます。


チョ刑事が自宅で、スヨンにもらったスケッチ・ブックを片手にギヨンの所からこっそり押収したヴィデオでスヨンを眺めていると、衝撃的な映像が出てきました。

スヨンが702号室の鍵を机の抽き出しにしまうシーンが、ギヨンの盗撮ヴィデオに映されていたのです。その抽き出しの中には、墜落死した少年のボタンが入っていました。

あの夜、702号室にいたのはスヨンだったのです。空き巣に入った少年は、はからずも702号室で行われていた死体の解体縫合を見てしまい、驚きと恐怖のあまり窓から転落してしまったのです。

少年を捕まえようとしたのか、その時スヨンがもぎ取ったのが抽き出しのボタンでした。混乱した頭を抱えて、チョ刑事は鍵を持って702号室を再び訪れました。

そしてついに、オ刑事が死と引き換えにして残したポラロイド写真を発見するのです。

 
失意の中、チョ刑事はオ刑事が気がついたこととは別のあることに気がつきました。別荘を訪れた時にオ刑事は中に入らず外で待っていたので、そのことに気がつかなかったのです。

写真に写った部屋の壁の一部がストロボの光で反射していたのです。

別荘へやってきたチョ刑事は、光に反応した壁を調べます。そこにはハーフミラーを使用して作ったインテリアのからくり水槽が設置されていました。

“理想の父親”になるはずだった縫合死体は、頭部がないままそこに保管されていました。水槽の魚はスヨンが配ったガラス瓶にいれられ、死体が水槽の中に納められたのです。

真相を知ったチョ刑事は事件の全容を理解して、自分がそのターゲットになっていたことを知り驚愕します。

 
そこには、真犯人に対する驚きと共に複雑な苦悶がありました。母親の延命措置を停止させたチョ刑事もまた、ある意味で親を殺した罪人だったからです。

ガラスの瓶を持った人間の手は全員汚れていたのです。  

(おわり)


 

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元々謎が残るようにしてるようなので、こんなところで・・どうでしょうか?
 
  
監督へのインタビュー
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・問いー映画の中で使用されていた
CD。
     これは
何を意図していたのでしょうか?

「あれは犯人が自分の犯行の動機などを手がかりとしてチョ刑事に見せるという設定です。
犯人の二重人格的なものを比喩するという役割も有ります。

スヨンが手がかりとなるボタンを持っている姿がビデオカメラに映るシーンがありますよね。
あのシーンのみスヨンはパンツ姿です。

これも
スヨンの二重人格性をかいま見ることができます。それからCDのジャケットですが、DAVID BOWIEがかなり後押ししている‘プラシーボ‘というバイ・セクシャルの方たちのグループのジャケットですよね。

作品自体、性的な側面もかなり関係のある内容になっていますので、あのCDジャケットで、そういう意味合いも暗示させたかった」

HOT CHILI PAPERのVol.3の28ページ

「人によって感じることが違うと思いますが、観客に対して決して親切な映画ではないでしょう。映画を観終わってすべてがわかるのではなく、映画が終わった時点から新しい答え探しが始まるような作品を目指しました。映画が提示している「Q」よりも観客の「A」(答え)が重要な作品。他の人たちの評価より、観客の答えが大切だと考えています」

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『カル』の謎。さらにいろいろ意見抜粋kopipe

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