何か不幸や不運に見舞われたら、誰でも世間や何かのせいにして、恨みたくなります。私とてもそうです。
金銭関係で人に騙されたこともあるし、信じていた人間に恩を仇で返すような仕打ちをされたこともあります。
そういう時、「私は悪くないのに」と責任転嫁しそうになります。でも、私はそれで終わらせない。
なぜそうなってしまったかをよく分析してみるのです。その人との出会いまでさかのぼり、関係を築く中で起こったことを思い出し考えます。そうすると気づきます。
「私に見る目がなかったんだ。対処の仕方に不味いところがあった。」って。「そうか。問題の大部分が私のせいなのだ」と気づくのです。そう思えれば、気持ちのモヤモヤは、すっかり片付くものなのです。
たとえば、上司に怒られたとします。
殆どの人が怒られたということに執着し、がっぷり受け止めてしまいます。そして恨みます。怒ります。
「なぜ怒られることになったのか」とその理由を冷静に分析しないのです。
その思考パターンがすべてに広がっていきます。人生の中で起こった原因からは目をそらし、結果ばかりクローズアップ。恨む、憎むという行為をし続けるから、みんな怨霊になる。
責任を押し付け、被害者ぶっているからいつまも辛いのです。自分が加害者であるという現実を見極めようとしないから不幸になっていくのです。
美輪明宏
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